プラスαと(の)美術鑑賞  美術鑑賞を楽しむ会 プラスα  佐藤洋子

3月、「神と人とファラオ 古代エジプトの美」展でのREVIネットのみなさんとの偶然の出会いからご縁ができ、「上村松園展」、「エミール・ノルデ展」、「ステキな視界 新たな世界」展と、ご一緒に美術鑑賞をしてきました。

今回の「ステキな視界」展では、平面絵画の斎藤清《セーヌ・古本屋・パリ》やシャガール《枝》をうまく言葉で表現できなくて、ついつい私の感じていることを喋ってしまいました。児玉さんはきっと何がどう、どんな色で描かれているかイメージを描く事ができなかったことと思います。申し訳ないことでした。でも、私の話に反応してくださり、いろんな楽しい言葉が飛び出したことで救われました。

今回は柳原義達の彫刻を中心に、別の作家、素材の異なる彫刻にも触って鑑賞していただきました。彫刻に触って鑑賞できるのは視覚障害者の特権です。手のひらから伝わってくる作家や作品のメッセージを感じ、楽しんでもらえたかどうか、ちょっと心配です。今回、一緒に鑑賞している時、今まで見えていなかったものがたくさん見え、私にも大きな収穫がありました。次にそれを活かしたいと思っています。

見えるものにとっても、見えないものにとっても美術館での楽しみ方はいろいろあると思います。もちろん、ガイドボランティアの言葉から視覚的イメージを創造的に膨らませて、かつて経験した事、見たことを作品に重ねて思い描く事も、ひとつの大きな楽しみ方だと思います。でも、たとえ、はっきりとイメージを描けなくても、その作品の何かをネタにして、おしゃべりをするのも楽しい事だと思いませんか?(警備の人に「静かに!」と注意を受けるかもわかりませんが・・)。自分の表現力の無さと語彙の貧弱さにもどかしさ、苛立ちを感じながらも、まずは私自身が十分に楽しみ、その楽しさをみなさんにお伝えできたらと思っています。

以前はたびたび美術館を訪れていた人、これまであまり美術館を訪れた事のない人も、ぜひ、私たちといっしょに美術館を訪れて、自分だけの新しい美術館の楽しみ方を見つけていきませんか。


主な内容


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