レビネットの皆様、お元気ですか。特定非営利活動法人アイパートナー、歩行訓練士の前川賢一です。
目が不自由な方の生活訓練の専門機関として設立してはや5年目、新たに女性歩行訓練士をスタッフに増やし、来年度には3〜4名の配置を目指して頑張っています。でも、ここまでくるのは決して簡単な道のりだったわけではなく、基本的に介護保険にも支援費制度にも該当しないところで頑張ってきてますので、契約のできている桑名市、鈴鹿市、青山町、尾鷲市以外の地域にお住まいの視覚障害の方の継続的な個別訓練は、殆ど個人負担いただくしかない状況があります。すべてを公的な負担とは思いませんが、すべてを個人負担というのもどうかと思います。これに関しては、当法人でも強くその必要性を市町村にはたらきかけてはいきますが、皆様にもご協力いただければと思います。
視覚障害者福祉に求めたい当事者のニーズは潜在化してしまいがちです。そのことを訴えていく者は誰であれ、「障害の個人差の多様性の理解の困難さ」を理解してもらえるよう伝えていかなくてはならないと思います。潜在化しているニーズを訴えているつもりで、自分のことだけを訴えているケースは誰にでもあることなのだと思います。そこに気付かないとバリアフリーは「誰かには便利でもすぐ隣の誰かには不便を強要する」ものになってしまうと思うのです。今のバリアフリーは、組織の強弱か言った者勝ちのバリアフリーであるような気がします。そうではなくて、障害の内容、有無に関わらず、更には視覚障害を画一的にまとめるのではなく、人の個人差の多様性についてこそをそれぞれが知り、自分と人とは違うのだと言うことをお互いが認め合うということを、ほんの身近な単位から頑張っていくことのどれほどに大切なことであることか。私はそう思って、だからこそアイパートナーでなければいけなかったのだと今思っているのですね。
私は、そこをベースにした仲間とこれからも頑張っていきます。仲間は増え続けるでしょう。そして、その仲間とともに、道路交通法についての研究、福祉機器の開発等、視覚障害の専門機関として我々だけができることを具体的に進めていきます。視覚障害者の生活の自立には、社会の治安の安定がベースになります。だから、そんなところにも活動は及んでいきます。そして、次にもし寄稿させていただくときぐらいには、目が不自由な方の就労先としても活動の展開ができていると思います。こちらは元気です。みんな、がんばろうね!!
視覚障害のリハビリテーションに取り組んでいる特定非営利活動法人アイパートナーの出先事務所が津江戸橋の三重大学病院前に開設した。
2階建ての民家を活用したもので、1階がアイパートナー津事務所。和室・洋室併せて5室を有する。
歩行訓練・生活訓練などの視覚リハの拠点としての活用はもちろんのこと、茶道教室や視覚障害者の就労・雇用の場としての活用もめざしている。
「気軽にたずねてほしい。」と理事長の前川さん(歩行訓練士)談。
10月には、日本ライトハウスでの研修を終えた新たなスタッフも加わる。活動の拠点を獲たアイパートナーのこれからの取り組みにますます期待したい。
☆おたずねの際は、事前にご連絡ください。日中、スタッフが不在のことがあります。
(文責 上田)