視覚リハ研究会に合わせて開催された福祉機器展に視覚障害者が使えるPDAが出品された。
PDAとは、手のひらサイズの小型のコンピューター。これ一台でインターネットから文書作成、そしてメール送信、音声電話まで、普通のパソコンに勝るとも劣らない機能をもっている。あたかも小さなオフィスのようなもの。近年、晴眼者の間では、普及が著しい。視覚障害者にもついに、このPDAを使える時代が来たのか。
インターネットやメールなど通信を行うためにPDAに接続する通信機器が必要となる。現在NTTドコモのPHSと携帯電話が可能らしい。どちらも簡単に接続。PHSの場合であれば、高音質の音声電話としても利用可能らしい。
本体は、VHSのビデオテープの半分ぐらいの大きさ。その本体側面に付いているダイヤルで操作のほとんどを行う。メニュー選択は、ダイヤルをぐるぐるまわすだけ、その度にメニューの内容を読み上げてくれる。選びたいメニューのところでダイヤルを押し込むと、そのメニューに入ることができる。
音声の音切れが心配されたが、ある面、パソコンよりも良いかも。音声が遅すぎていらいらすることもない。
操作は、このダイヤルの他、本体前面にあるテンキーのようなタッチキーでも操作が可能。
現在扱えるメールの送受信は、ドコモのメールとのこと、全角250文字までというところが気になる。本体前面のタッチキーを使ってのメール入力は、かな文字入力、こちらも漢字を扱えるまでには至っていないようだ。
メール機能については、多少不満の残るところである。
まだまだ発展途上のシステムではあるものの、多くのデータを小さな本体に蓄えて持ち歩けるのは確か。長旅の際など、電車の中で退屈することも多い。そんなときの読書の助けとなってくれることに期待したい。(上田 記)