上田:先生は、大阪のライトハウスで、視覚障害についての専門的な研修を受けられたそうですが、それは、どのようなものなのですか?
前川:「歩行訓練士」として、目の御不自由な方の「歩行」だけではなく、生活に関する殆ど全ての内容に関して自立を目指すための、技術、知識、考え方を学び、指導のノウハウを学びました。ですから、視覚障害者生活訓練指導専門員「歩行訓練士」って言うんですよね。
上田:では、この度新しく立ち上げられた団体についてお伺いします。なぜ、この名称にされたのでしょうか?
前川:これは、もうシンプルにしたかった。あと、「アイ」っていろんな解釈ができるでしょ、愛、会い、眼のアイ、そして将来電話をひいたときに、「アイ」だと、電話帳の最初に来て、調べやすいとか。パートナーは、サービス内容が「指導」「訓練」ていう言い方になっちゃうんだけど、対象となる目の不自由な方にフレンドリーな気持ちが強いことを、わかってもらいたいとか、そんなイメージですね。
上田:では、この団体で、実際にどのような活動を行って行くのですか?
前川:これは、とてもいろんなことをおこなっていく準備をしてますけど、とりあえず主なところでは、視覚障害者の方が希望する場所で希望する内容で、自立生活ができるように、いろんな技術や考え方をマンツーマンでお教えするということです。ほか、いろんなこと考えてますけど、とにかく視覚障害者の自立生活に有効なサービスを展開していきます。乞う御期待!ってところですかね。準備に大変なことも多いんですけど。
上田:なるほど、本格的な地域、個人に根ざした視覚障害リハビリテーションなんですね。これまで、REVIネットがめざして来たものと同じですね。 それでは、レビネットとは、今後どんな関係になって行くのでしょうか?先生の展望を希望も含めて、忌憚のないところをお話ください。
前川:レビネットさんは、三重県では視覚障害*リハ*関係では先駆者なんですよね。先ず、そこを尊重させていただくことが第一!ですね、僕の頭の中では。ひとつ、申し上げますと、アイパートナーは、福祉サービス(他の障害、他の社会福祉に関する活動)の総合サービス機関になっていく準備をしています。だから、アイパートナーの視覚障害者サービスは、部署名みたいな感じで三重県ではレビネットというのが、こちらが提案できる将来の関係です(関係って言うか、これは合体ですね)。いろんな問題を解決していくためには、最も無理がなくて的をえた力のあわせかただと思うんですけどね。
上田:大変すばらしい考想ですね。今回、アイパートナーさんからの強いプロポーズをいただいたと考えれば良いでしょうか。今度は、REVIネットからお返事をしないといけないですね。ただ、みんなじっくり考えて結論を出したいと思うんです。しばらく待っていただきたいと思うのですが・・・。 さて、大切な問題を棚上げしてしまって、もうしわけないのですが、最後に、大変大きなテーマではありますが、三重県の視覚障害リハビリテーションについての展望をお聞かせ下さい。
前川:1時間3、000円の有料サービスを県内各地の方が受けてくれて、それを実績に各市町村や県へ視覚障害者福祉関係の予算を獲得していくことが重要です。 有料でやっていって「なんで全額を本人が負担しなくてはならないのか」と実績で言っていくことで、勝ち取りたいんですね、各市町村から予算を!法的には該当する事業はありますから、ただ選択事業なんでね。他の障害とかにニーズがあれば予算はそっちへいくわけです。だから、視覚障害者のまさに生の声が市町村ごとにまとまっているわけですよね。本題からそれたでしょうか。「三重県の視覚障害者リハビリの展望」でしたね。三重県の場合、アイパートナーで歩行訓練士を北、中、南、西部と最低4〜5人はいないと、県土全体をカバーできませんね。そのために頑張っていくには、各部で12人訓練受けてくれる視覚障害者がいてくれればその地区で活躍するための歩行訓練士を雇えます!僕は、その土壌をつくるために、大変でも各地に赴いて活動していく決意ですよ。 なんせ、生活地域で練習しないと、意味がないですからね、結局。 全国的にも、前例のない新しいかたちだと思います。その最初の一歩を三重県から発信することになるわけですから、どうか、一緒にお願いします、って感じが強いんですよね。そのためにも、「訓練受けて下さい」てことです。
(聞き手…上田 幹男)